日本では、マス媒体からwebへのシフトが顕著です。
web媒体への広告費が初めて1兆円を超えたというニュースは記憶に新しいものです。
いまや日本のweb広告費は、新聞とラジオと雑誌を足した額よりも多いです。
しかしながら、セネガルでは少し事情が異なります。
前職(webメディアの広告営業)の仕事柄、私はセネガル移住当初よりセネガルのメディアと広告に注目してきました。
また、以前セネガルでの広告出稿をご検討なさっていた企業様へご提案を行うため、実際にメディア企業のオフィスにも訪問し話を伺ってきました。
そして、媒体別の広告価格の目安や出稿方法、また実際に広告出稿を行っていた人へのインタビューにより、どのメディアの費用対効果が高いか、などもある程度把握しようと努めてきました。
そんな事をしながら3年以上住んでいるうちに、セネガルでの媒体別広告の影響度(どれだけの人数にリーチできるか)が漠然とですが見えてきました。以下の順番で影響力が強いと思います。
TV > ラジオ > web ≒ 新聞 > 巨大看板 > フリーペーパー > 雑誌
以下、簡単に各媒体について言及してみます。
テレビ
セネガルではまだまだテレビ広告がダントツの影響力を持っています。
日曜日は家から出ずに過ごす家族も多いセネガル。その団欒の中心には、いつもテレビがあります。
サッカーやセネガル相撲など、人気スポーツの試合時は、街から人が少なくなると感じるほど。
ラジオ
日本と異なり、セネガルでは老若男女問わず日常的にラジオを聞いています。
特に通勤の時間帯、(日本ではほぼあり得ない)仕事中、昼休みなど、ニュースをラジオで聞く習慣がある人も少なくありません。
地方で人気のラジオ局や、特定の業種の人に愛されているラジオ局もあります。
web
セネガルでも、webの影響力は日に日に増しています。
まだまだwifiにアクセスできる人は多くないのですが、Facebookは一部携帯キャリアで無料で閲覧可能な事から利用者がとても多く、幅広い層にリーチできます。
また、セネガル独自のwebサイトの中には、非常に強力な影響力を持っているものもあります。スマートフォンでweb閲覧を行う人も少しずつ増えてきています。
無料の告知サイトが幅広く活用されている事から、セネガル人は「webは誰でも情報発信ができる場所」という認識をある程度持っているため他媒体より信頼性に劣るのが難点ですが、他媒体に比べて広告費も割安である事から、広告内容によっては非常に重宝します。
新聞
発行部数(および人口と発行部数の比率)は日本よりはるかに少ないですが、フランス語が読めて、かつお金を出して情報を買おうという人達に訴求できます。
また、買わずに「立ち読み」(外で売っている新聞の一面だけ読む)する人が少なくないので、紙面の内部はさておき、一面のリーチ数は発行部数よりもかなり多いと考えてよいでしょう。
巨大看板
道路脇や交差点に設置されている巨大な看板は、特定の地区の人、セネガルのTVやラジオを視聴しないような外国人、ならびに自動車ユーザーへの訴求に有効です。
フリーペーパー
リーチできる人数は決して多くはありませんが、富裕層や外国人を中心に購読されているため、不動産や自動車など、高額商品の訴求に利用されています。
雑誌
雑誌は、発行部数も少なく価格も高いため、大衆への訴求には向きませんが、特定層へのリーチに優れています。
その他
タクシー広告、バスの車体・車内広告などの交通広告、またポスターやチラシ、イベントなど様々なプロモーションメディア(手法)があります。ここではそれぞれの詳細は割愛します。
セネガル進出を検討する日本企業はなかなか少ないのが現状ですが(笑)、資源も発見されたセネガルはこれからどんどん伸びる国。一日でも早く、一社でも多くの日本企業のセネガル進出をご一緒に実現するため、日本企業にとってリアルからwebまでセネガルでの広告戦略を包括的に相談できる広告代理店のような役割も担えたらと考えています。