弊社は現地で不動産仲介店舗「SenegALouer」を運営していますが、実は不動産業界にもインフォーマルに活動する「クルティエ」と呼ばれる人達がいます。
クルティエの仕事は、不動産仲介を行う事。
不動産仲介業を営む弊社のような企業にとっては非常に厄介な存在です。
以前紹介しましたが、弊社は現地で不動産仲介店舗「SenegALouer」を運営しています。実は不動産業界にもインフォーマルに活動する「クルティエ」と呼ばれる人達がいます。
クルティエの仕事は、不動産仲介を行う事。
不動産仲介業を営む弊社のような企業にとっては非常に厄介な存在です。
たとえば、建設中の物件を見つけ、オーナーに管理契約の提案をしよう、また管理契約をせずとも顧客提案のための内見をさせてもらおうとします。
しかしながら、そこにはすでに物件を仕切っているクルティエがいる場合があります。
そうすると、その後の手続きも彼を通して進めていかなくてはならず、そして最後には契約時の仲介手数料の3割近くを支払う事になります。
最近困るのが、クルティエを名乗る物件の警備員が増え始めた事です。彼らはオーナーから物件の監視を任されている存在。オーナーの連絡先は彼らに聞かねば分からない事が多く、彼らは電話番号をなかなか教えないのです。
一方で、実は彼らとは協力関係にもあります。
たとえばクルティエが自分の顧客が探している物件が無いか相談に来る事や、弊社から彼らに物件情報を確認したりします。
日本の状況と比較してみましょう。
日本では、不動産会社各社が使える「レインズ」という共通の物件データベースがあります(例外を除き、レインズへの物件登録が義務付けられています)。
そのため、実はどの不動産仲介店舗に行っても、同じ物件情報にアクセスできるのです(未登録、紹介拒否などがあるため全てとは言えませんが)。
つまり極端な事を申しますと、北海道の不動産屋さんでも、東京の物件情報を紹介する事ができるという事です。
一方セネガルには、日本の「レインズ(不動産会社共通の物件データベース)」のようなものは存在していません。
そのため、日本のレインズ導入以前同様、物件の情報は賃貸・売却依頼を受けた不動産会社からその先へは流れず、たまたまその不動産会社に立ち寄って紹介をしてもらわない限り、その物件を目にする事ができません。つまりセネガルでは、物件情報が非常に属人的なのです。
そこで、クルティエとの連携が必要となってくるのです。
こう記してみると、協力して働けば決して悪い事はなさそうに見えるかもしれません。
ですが、私の意見としては、クルティエの取り締まりを一刻も早く強化してほしいと願っています。
それはなぜか。
なんと言っても、クルティエがいる事で一番困るのが「人材の確保」です。
上述の通り情報が属人的であるため、業務内容を教えれば誰でもできるといった仕事ではなく、未経験者の登用がなかなか難しい状況です。
他方、自分でクルティエを名乗ってしまえば家賃の3割が丸々手元に入って来るため、会社に属する事にメリットを感じる人が少なく、経験者の採用も難しいのです(彼らは所得税なども支払いません)。
クルティエの存在が取り締まられずにいる結果、このような状況が起きています。
また、クルティエ絡みのトラブルはとても多く、クルティエの存在は大きな問題としてニュースにも時折取り上げられています。
クルティエの存在により収入が減るのはもちろんですが、それ以上に関係者の増加により業務の不透明性が高まる事が大きな問題だと考えています。
不動産業界全体への不信感が強くなる事も懸念しています。
外国企業の誘致を積極的に推し進めていこうと考えているセネガル政府。
クルティエの現状を鑑みて、私は資格制度や罰則規定の創設など、国が主導して早々に対策を講じる必要があるのでは考えています。
JAPON COMMERCE SUARL
山田一雅